土壁を壊すなんて、宝を捨ててるのと一緒。
と言ったら、なんで?って思いますよね?
また少し長いですが、私が体感した土壁のお話をしたいと思います。
どこから話しましょう、やっぱり寒さ暖かさでしょうか?
現在、各社が高機密、高断熱を自慢して、空気の流入量を測ったりしてます。
でも、よく考えてみてください。そんなの昔の人でもある程度はできたと思います。
それなのに、古民家には断熱らしいものは見当たりません。
なぜでしょう?それは必要がなかったからです。
断熱が必要ないと言うと、さぞ寒く、我慢して生活していたんだろうと皆さん思うでしょうが、おそらく現代よりポカポカに過ごしていたと思います。
それは遠赤外線で体を温めていたからです。
遠赤外線の輻射熱は、目に見えにくいので視覚的には寒く感じますが、ジワジワと体の奥まで温めてくれます。
そして土や石は、温めると熱を長く保ちますね?
古民家は、土壁の熱容量を利用し、
室内の熱を蓄熱させて、家全体を暖めていました。
暖を消したのちも輻射熱を放出し部屋を暖めてくれます。
昔は囲炉裏などの直火があったから、熱量と遠赤外線で木や土壁を暖める事ができました。ファンヒーターやエアコンの温風は赤外線ではないので、肌もカサカサになり、カラダも家も暖める事は出来ません。
だから熱を逃さない様にする事になります。
高熱源は化石エネルギーを使いすぎるので、土壁に外断熱をして、少し気密を上げれば、現代でも十分通用すると思います。
次世代の住宅は、断熱から蓄熱に移行すると考えています。
→つづく